こんにちは。Job Stepの支援員です。
タイトル、実は私の趣味なんです。
月に一度、仏師の先生のお教室に行きます。
コロナ渦になり、随分ご無沙汰していましたが、今月から再開しました。
15年くらい前、急に聴こえが悪くなり、大音量の耳鳴りに悩まされていました。
聴力はどんどん落ち、このまま聴こえなくなるんだなと絶望していました。
もちろん、十数軒もの病院で診てもらいましたが、効き目のない薬を処方されたり、あらゆる検査をされましたが、病名すらわかりませんでした。
そんなある日、台所に立っていた私の耳に、あるテレビ番組の内容が聴こえてきました(もちろん大音量)。
Eテレの「ろうを生きる」という番組です。聴力を失い、耳鳴りに苦しんでいる男性の話でした。
彼はある出会いによって、耳鳴りが気にならなくなり、生き甲斐を見つけたと。
それが「仏像彫刻」でした。
その瞬間、「これだ!」とピタッときたのです。
私の友人が「ゴリゴリゴリゴリ仏像を彫りたい!」と言っていたこと。
私も仏像が好きなこと、そしてモノを作ることが好きなこと。
早速、教室を探し、その友人を誘って「仏像彫刻」を始めたのです。
幸いその後、ある耳鼻科の先生によって病名が判明しました。
「耳硬化症」。とてもレアな病気なので、それまでの先生は見つけられなかったようです。
関西で手術できる先生は一人だけでした。紹介していただき、おかげで耳が聴こえるようになりました。
ただ、聴力は以前に比べて随分落ちていますし、耳の中で蝉を飼っている感じの耳鳴りは治りませんでした。
でも、仏像彫刻をしていると、本当に気にならないのです。そのおかげか、仏像彫刻をしていない時も、耳鳴りのことがあまり気にならなくなりました。
多分、完全に聴力を失うことがなかったので、「耳鳴りくらい平気だ。」と折り合いをつけることができたんだと思います。
私に「仏像彫刻」という素晴らしい趣味を授けてくださった男性は、耳鳴りだけではなく、「ろうを生きる」覚悟も決められました。
「仏像彫刻をしている時間が何より幸せです。」と笑顔で語る境地にまでなったその男性をリスペクトせずにはいられません。
本当に仏師そのものだと思います。
煩悩満タンの私が彫る仏像は、何の有難みもありませんが・・・。
今日もありがとうございます。おつかれさまでした。